新しいがん治療法と大学での研究

2019/08/11

こんにちは、担任助手の田中です。

日差しが強くとても暑い日が続いていますね。熱中症や夏バテをしないように体調管理に気を付けてください!

1.新しいがん治療法

8月11日の日本経済新聞の紙面で新しいがん治療法の記事がありました。その治療法はBNCT(ホウ素中性子補足療法)です。

まず、ホウ素化合物を含む薬を患者に与え、ホウ素化合物をがん細胞にのみ取り込ませます。そして、それを目印とし、細胞に中性子を衝突させ核反応を起こしがん細胞のDNAを破壊するという仕組みです。従来の放射線治療と違い、正常細胞をほとんど傷つけないため、体へのダメージが小さく高い効果が期待されます。

BNCTは現在、国内で複数施設が建設され、開発されており、2022~23年に実用化をめざしています。

もし、みなさんがこのように病気の新しい治療法を開発したいとすればどのような進路を選びますか?医療のことなので医学部?新薬の研究開発をするために薬学部でしょうか?たしかにそれもありだとは思いますが、道はそれだけではないと思います。BNCTでは、ホウ素化合物をがん細胞のみに取り込ませる技術や中性子を病院に設置することが出来るぐらいの小型の装置で作れるようにする技術が必要だったりと、一つの治療法を完成させるには様々な分野のスペシャリストが必要です。したがって、自分がどの面からアプローチしていきたいのかをよく考え進路選びをしていくことが大事だと思います。

2.大阪府立大学の研究内容

私の通う大阪府立大学の生命環境科学域理学類にも創薬の基礎となる研究をしている研究室が多くあります。たとえば、たんぱく質進化や機能の分子メカニズムを明らかにすることで、機能性たんぱく質を創出し、新しい人工酵素や次世代抗体医薬の創出を目指している研究室や、シグナル伝達タンパク質の活性の制御メカニズムを明らかにすることで、論理的な創薬戦略を導きだすことを目指す研究室があり、他大学や企業などと創薬プロジェクトを進めたりもしています。

内容が難しいかもしれませんが、大学の研究室の研究内容を調べて、自分の興味のある分野をぜひ見つけてください!

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