身近に潜む化学

2023/09/29

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みなさんこんにちは!

 

本日のブログを担当する担任助手の佐藤です。

今回は身近に潜む化学と題しまして食品の成分表示によく含まれている化学物質のお話をしたいと思います。

 

○タンパク質加水分解物

これは化学調味料をはじめとした各種食品中に含まれていることのあるものです。パッケージには成分表示の欄に”タンパク質加水分解物”とだけ書いてあるため何者なのかよく分からないと思います。

ここで化学の教科書の高分子の欄を見てみましょう。タンパク質とは複数のアミノ酸のカルボキシ基とアミノ基が脱水縮合して作られるポリペプチドと説明されています。

このタンパク質を加水分解するともちろんアミノ酸や完全に加水分解しないことで短いペプチドになります。

ところで人間には5つの味(+痛覚である辛み)を感じるとされており、その5つとは甘味,塩味,酸味,苦味,旨味です。このうち旨味をもたらす化合物としてアミノ酸の1種であるグルタミン酸があります。

もう気づいた人も多いでしょうがなぜタンパク質をわざわざアミノ酸などに加水分解したのかというと、このような旨味などの有用な味をもたらすアミノ酸やペプチドを多く回収するためだったということです。

ちなみにグアニル酸(しいたけの旨味)やイノシン酸はアミノ酸ではなく核酸に関連している化合物だそうです。

 

○安息香酸(ナトリウム)

こちらも食品や飲料の成分表示で見かけることの多い化合物です。安息香酸は有機を習った人なら聞き覚えのある物質のはずです。

これは酸性条件下で細菌の増殖を防ぎ保存期間を長くするために含まれています。しかしビタミンCとの相性がわるく両方添加すると条件によってはお互いに反応してベンゼン(発がん性や毒性のある物質)が生成されてしまうそう。

 

○ビタミンC(アスコルビン酸)

レモンなどの自然界にも存在するビタミンCですが、還元作用があることから活性酸素などの反応性の高い酸化作用のある物質を除去する酸化防止剤として食品や飲料などにいれられています。

悲しいことに多くの哺乳類とは異なりこのアスコルビン酸を人間は自力で合成できないうえ、欠乏すると壊血病などの命に係わる病気を発症するためビタミン(=vital(不可欠の)+アミン化合物)に分類されています。にもかかわらず反応性がまぁまぁ高いため加熱や紫外線に弱いおまけつきです。

 

 

ということで、食品系で良く見られる化学物質を紹介しましたがいかがでしたでしょうか?

普段何気なく買う飲み物や食べ物の成分表示欄を見てみるとよくわからない物質がかいてあることもしばしばありますが、中には高校で習う物質も混じっています。

たまには成分表示をじっくり眺めてみると違った世界がみえてくる…かも?

 

 

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