受験勉強と就職活動の関わり
2022/12/26
こんにちは、担任助手の火ノ川です。
さて本日は受験勉強と就職活動の関わり というテーマで記事を書いてみようと思います。
就職活動はイメージの通り、入りたい企業を探し、面接を受けるというようなものです。
では面接での採用不採用はどのように決まるのでしょうか?
それは偏に、「自分は本当に入りたいんだ!」という情熱です。しかし、気持ちはいくらでも取り繕うことができるため、企業はその情熱を面接における質問の回答の納得性によって評価します。
一般的に企業が面接で聞く質問は主に下2つです。
①志望理由
②学生時代に力をいれたこと ・ 自己PR
これらの質問に対して如何に納得性を持たせて、自分は本当に入りたい気持ちをアピールすることが就職活動では必要となってきます。
では、納得性を与える要因はなんでしょうか? それは端的に言うと、「これまでしてきたこととこれからの一貫性」です。つまり、一貫性が自分の入りたいという思いを評価する面接での回答に納得性を与え、採用を勝ち取ることができるということです。
一貫性がある回答を具体的に考えてみます。
① 志望理由
志望理由とは「〇〇と思っているから、御社に入りたいです」と書くものです。納得性を持たせるのはこれまでしてきたこととこれからの一貫性でした。それを踏まえて志望理由を書くなら、
「私にはこのような思いがあります。そしてこれまでもAのようなことをしてきました。御社はAのようなことをしている。だから御社で働きたい。」
という形になります。これまでもAのようなことをしてきたと書く事によって、思いの強さを補強しています。こう書けるだけで、いまの一時的な感情でなく、昔から今にかけて同じ思いであり、思いの強さを感じさせます。
② 学生時代に力をいれたこと ・ 自己PR
この質問への回答はいろんなパターンがありますが、学生時代力をいれたことの中に自己PRを内包させるパターンでは
「私はこんな人間です。だからこれを頑張ろうと思って取り組んだ。こんな問題があったが、こうやって乗り越えた。そして御社ではこんな力が必要だと聞いている。この乗り越えたときに培った力は役立つはずだ。」というように書き、これまでの自分(学生時代の自分)とこれからの自分(仕事する自分)に一貫性を持たせます。
さて、ここまでは理想論を書きました。このように実際に一貫させることができ、面接でもそれをスムーズに話すことができれば、就職活動は負のイメージを持たれることはないでしょう。
大学生は大学生活の中で、そこまで言わなくても、ただ生きているだけでもいろいろなことを体験して感じています。価値観は環境(周りの人・社会)によって変わり、中には180°変わってしまう人までいます。だから、就職活動を3年生から始めて「一貫性が必要」と知り、一貫性を作ろうとするともう遅いのです。就職活動までにいろんな経験をして成長 ・ 変化を続けた価値観に一貫性は無いと言えるでしょう。本来的に人間はそういうものかもしれないのですが、少なくとも就職活動では一貫性が求められます。
これを避けるためにはどのようにすればよいのでしょうか。それはもう聞き飽きたことばだと思います。
「逆算して考える」
これに尽きると思われます。
一般的な就職活動が始まる時期の前から、就職活動に必要な情報を集め、どうすればいいのかを知り、実行することが就職活動を乗り越えるための重要な要因です。積極的に参加するのがめんどくさそうなクラブの運営や、最初に動くのが一番やる気がいる主体的な活動など、それらにふと向かわせる一つは、「まあでも、就活のためか...!」という思いであり、その思いは逆算して情報を集められているかによるのではないかと思います。
そしてようやく題名に戻ります。ここが、受験勉強と就職活動の共通点です。
受験勉強もまた「逆算思考」が重要です。受験勉強をしなくてはいけないと目覚める時期は人それぞれですが、その時から高校3年生の冬までという短い期間の中で各科目の膨大な量の知識を頭に入れ、問題が解けるようにアウトプットの練習をし、何十年分もの過去問を繰り返し解くということが必要になってきます。これは計画的に行わなければ破綻してしまうし、そもそもこれを行わなくてはいけないことを逆算的に考えていなければいけません。極端な例ですが、高校3年生の受験当日に受験勉強を始めても遅いことになります。
一方で、受験勉強と就職活動には大きな相違点もあります。
それは「受験勉強は大学受験が最終目的であってもいい」という点であり、「受験勉強はタスクを確実に遂行する能力があればよい」です。これはどういうことかというと、就職活動ではまず自分の叶えたい思いがあって、それに対して昔もこんなことをしてきたし、これからも御社に入って自分の叶えたい思いの実現に取り組みたいという必要があります。つまり、企業に入ることは目的を叶えるための手段なのです。一方で受験勉強は、もちろん大学で叶えたいことがあるため大学にいく場合もありますが、往々にして「いい大学に入ること」が目的となる場合があります。目的はなんであれ、そこに至るための努力は素晴らしく美しいものであると私は考えています。しかし、その目的はあなたが考えてそこに至ったものでしょうか。もしかしたらいい大学に入るという目的は、その方が社会的によいという思いから生まれたものの可能性もあります。極端なことを言ってしまうと、そこに自分の将来像を問う必要は必ずしも無いとも言えます。就職活動との比較のためにいうなら、一貫性は必ずしも必要ではないと言い換えてもいいと思います。
共通点と相違点をまとめると、
共通点 : どちらも逆算的に考えれば、達成できるということ
相違点 : 受験勉強は大学に入るという目的でもよいが、就活は先に思いがあって企業に入ることは手段にしなければいけないところ
そして、大学に入るという目的のみで受験勉強をしてきた場合には、就職活動においてはじめて自分がしたいことを問われることになる。それが定まるまでは一貫する態度を持てない場合がある、ということです。
では、受験勉強は就職活動に結びつかない/応用不可能 なのでしょうか?
それは違います。受験勉強をとらえ直すことによって結び付け、応用することができると言えます。受験勉強を自分の目的の手段、大学に入ることを自分の目的達成のための手段とするのです。そうすることによって、自分の意志・目的が行動に先立ち、結果的にそれは就職活動でも評価されるものとなるでしょう。
自分の目的・意志をもっと簡単な言葉で表すなら、それは「しょうらいのゆめ」です。きっとむず痒い言葉に聞こえると思います。「自分の夢は〇〇だ!」っていうのはなかなか恥ずかしくって言えないですよね。だからそういう態度を強制したり、それを他人が持っているかどうかに対してもどうこう思う必要はありません。ただその夢を、自分が本来あるように認めてあげればよいのだと思います。
まとめますと、ぜひ夢を持って、受験勉強も就職活動も自分の夢を叶えるための手段として、プラスの気持ちを持って取り組んでください!ということでした。長い文を読んでいただきありがとうございました。