経験則とプロについて

2020/04/28

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「経験則」とは、

経験から帰納された事物に関する知識や法則のことです。

※帰納とは、個々の具体的事実を総合して、一般的な原理や法則を導き出すことです。

 

経験則は、2つに分けられます。
一般常識に属する経験則
専門的知識に属する経験則

 

1.一般常識に属する経験則
社会人として知っているはずのものです。
例えば、
例1)とてもニコニコしている人がいる。⇒その人は、何か良いことがあったのだろう
例2)ため息をついている人がいる。⇒その人に、何か落ち込むことがあったのだろう

たとえば、あなたの友人がとても笑顔でいるとします。あなたは、そのとき「何かいい事でもあったのかい?」と聞くでしょう。

これは、例1の経験則をあなたが持っているからです。
もし、そうではなくて「何か残念なことでもあったのかい?」と聞けば、あなたは非常に変な目で見られるでしょう。

一般常識に属する経験則は、日常生活の中で、色んな人と出会い、会話したり、交流関係を持つことによって身に付いていきます。
だから、社会と交流を持つことはとても大切なことです

一人前の社会人になるためには、一般常識に属する経験則を身につけておくことが大切です。これは、特殊な環境で学ぶものではありません。家庭や地域社会など、日常生活の中でだけ身につけるものです。

したがって、日常生活を送ることは、とても大切な事なのです。

 

2.専門的知識に属する経験則
特殊の専門的知識に属する経験則は、その道の専門家(つまりプロ)でなければ持っていません。
例1)微分積分の成績が安定しない生徒がいる。⇒その生徒は、グラフや1次関数、2次関数でつまずいている可能性が高い。
例2)デザイン界では、今、ミントアイス色が流行している⇒ミントアイス色をたくさん使ったデザインのグッズをたくさん作って売ろう。

たとえば、消しゴムを新たに開発するとしましょう。売れてほしいから、色は流行色にした方がよさそうです。そこで、今の流行色はミントアイス色だから、この色で作ろう、と考えたとします。

この時、今の流行色がミントアイス色であることを知っている人は、どれだけいるでしょうか?その道の専門家でないと、普通は知らないでしょう。仮に今年の流行色を知っていたとしても、来年の流行色までもみんなが知っているでしょうか、いや、なかなか知らないはずです。

これは、まさに専門的知識に属する経験則です。

 

3.結局、プロって何ぞや?
一言で言うと、プロとは、

「専門的知識に属する経験則を使いこなして、仕事をしている人」だと言えます。

だから、プロは、その人の専門分野に関しては誰にも負けない質と量の経験則をもっているし、もっていなければ成り立ちません。つまり、専門的知識に属する経験則は、プロにとって、商売道具に他なりません。

専門知識は常に進歩するから、プロをしている限りは、常に専門知識の理解と修得に時間を割かなければなりません。

つまり、日々勉強しないといけないのです

たとえば漁師さんも、たえず海の様子や魚の状況、漁獲方法などについて勉強しています。何も、本を読むことだけが勉強ではなくて、現場でいろいろ悪戦苦闘したり、自問自答したり、漁師仲間と意見交換などをしたり、船や釣り具の新知識も触れていかなければなりません。

そうしないと、他の漁師さんに負けてしまうでしょう。

 

専門的知識に属する経験則は、人間にとっての経済的に自活するための不可欠の道具なのです。
だから、

専門的知識に属する経験則を身につけることが大切です

しかし、専門的知識に属する経験則は、日常生活では身につけられません。

だから、大学で教わるし、研究所でさらに発展させられるし、会社といった社会的組織があるし、その道のプロの集団である○○会(弁護士会等)などが存在しています。

 

また、

経験則は、たくさんの事例(ケース)を積めば積むほど、内容は濃くなっていきます。ベテランが重宝されるのは、これが理由です。

 

だから、早くその道に進んで悪戦苦闘しながらも多くの仕事をしていくことが、自分のスキルアップにつながります。

 

4.早く現場に出よう!
だから、早く現場に出て、たくさんの事例(ケース)を積んで、経験則の豊かなプロになりましょう

たとえば、医師になりたい人は、早く資格を取って、現場に出ましょう。そして、たくさんの事例(ケース)を積んで、経験則の豊かな医師になりましょう。
教師になりたい人は、早く資格をとって、現場に出ましょう。そしてたくさんの事例(ケース)を積んで、経験則の豊かな教師になりましょう。

 

5.最後に注意点
経験則は、絶対に正しいとは限らないことに注意が必要です。
たとえば、空が曇っている⇒絶対に雨が降る、とはなりません。

したがって、経験則を元にして、かつ、その事例ごとに必要な修正も加えて、ケース毎に最善の手が打てるようなプロになりましょう。

そういう意味で、独りよがりにならないことは重要です。

思いて学ばざれば、即ち罔し、です(って、これも経験則ですね)。